レース当日、出馬表や実況に「競走除外」の文字が並ぶことがあります。馬券購入者にとっては返還対象になる大きな出来事ですが、その判断は一体どこで、誰が下しているのでしょうか。
本記事では、JRAの制度に基づき、競走除外の決定に関わる裁決委員・獣医委員の役割と流れを整理します。
中央競馬における除外制度の概要
まず、出走取り消し(取消)と競走除外は明確に区別されています。
- 出走取消:装鞍所集合前までに、調教師からの申請と診断等により出走を見送る措置。
- 競走除外:装鞍後から発走直前の間に、競馬開催執務者(主に裁決委員)の判断で出走が不適とされる措置。
どちらも馬券返還の対象ですが、除外は“当日かつ直前”に生じる突発的な対応です。
裁決委員の役割と判断権限
JRAでは、開催ごとに複数名の裁決委員(委員長・副委員など)が配置されており、出走取消や除外に関する最終的な決定権を持っています。
裁決委員は、競走の公正確保・安全確保を第一に、以下のような判断を下します。
- 放馬やゲート内での異常行動
- 馬体検査での異常
- レース進行上の危険
なお、発走直前の異常(ゲート内暴れなど)に関しては、発走委員も除外判断に関与します。
獣医委員の役割と支援判断
競馬場には、JRAが任命した**獣医委員(獣医師)**が常駐しています。彼らは馬の健康状態に関する専門的診断を担当し、異常が見られた場合はその内容を裁決委員に報告します。
例えば、以下のようなケースです。
- 発熱や歩様異常
- 外傷、擦過傷
- 呼吸音の異常
裁決委員はこの医学的所見を踏まえ、競走除外とするかを最終的に判断します。
まとめ
| 項目 | 担当者 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 裁決委員 | 開催執務責任者 | 除外の最終判断、公正確保 |
| 発走委員 | 発走直前の監視者 | ゲート異常時の安全判断 |
| 獣医委員 | 馬体検査の専門職 | 健康状態の診断と報告 |
競走除外は、裁決委員を中心とし、発走委員・獣医委員の連携によって慎重に判断されます。
馬券の返還だけでなく、公正なレースを支えるこの制度の裏側を知ることで、競馬観戦がより深く楽しめるはずです。


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