2015年に電撃引退した藤田伸二元騎手が復帰するというニュースが出ました。
男・藤田が地方競馬で復帰へ-。2度の特別模範騎手賞を受賞するなどフェアプレーで知られた元中央競馬の騎手、藤田伸二氏(45)が、ホッカイドウ競馬の騎手として復帰する意向が明らかになった。引退から1年半、JRA1918勝の名手が地方競馬の騎手として新たなスタートを切ることになる。
突然の引退から1年半。“男・藤田”が再び、騎手としての道を志した。複数の関係者の証言を総合すると、藤田氏は復帰の意志を固め、その場として生まれ故郷であるホッカイドウ競馬を選択。地方競馬の騎手として再デビューを目指すという。
デビュー初年度から重賞勝ちを果たし、ダービー、オークス、有馬記念など17のJRA・GIを手にした藤田氏が、驚きの転身だ。安藤勝己、小牧太、内田博幸、岩田康誠、戸崎圭太ら地方のトップジョッキーが中央入りして活躍しているが、逆のパターンとなると近年では例がない。古くは1940年生まれの松本弘騎手が中央競馬の関東圏で騎乗した後、生まれ故郷の山形・上山競馬に移籍した事例はあるが、これもレアケースだ。
藤田氏の現役時は自分にも周囲にも厳しく、フェアプレーに徹したことで知られる。一方で一言居士としても存在感を示し、著書やインターネット上で自身の競馬観を発信してきたが、一昨年の秋に予告もなく引退。その後は札幌で飲食店の経営に携わり、ファンと交流していた。
現役時から出身地のホッカイドウ競馬に愛着を持ち、所属騎手とも親交を深めてきた経緯が道営で復帰する決め手になったものとみられる。新規の騎手免許取得となるため、クリアすべきハードルは残されているが、復帰すれば着実に売り上げが伸びている地方競馬がさらに活性化することは必至。男・45歳の挑戦が大いに注目される。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170314-00000511-sanspo-horse
この報道後に、藤田元騎手がオフィシャルサイトにてコメント。
そういったプランを考えていたことを明らかにしました。
藤田元騎手は、JRAで多くの実績を挙げ、特別模範騎手賞を受賞するなど、輝かしい記録を残してきました。
本を出版し、エージェント制を公に批判して、騎乗数も減ってきた頃に突然の引退でした。
まだまだやれただけに惜しい気もしました。
オフィシャルサイトを見ると、ご自身が携わるお店に多くの騎手が来店していることから、いわゆる騎手村から追い出されたという感じではないようです。
(吉田豊騎手、菱田裕二騎手、C.ルメール騎手といった方々が来店)
さて、肝心の復帰について可能なのか?
中央競馬から地方競馬への騎手の移籍
地方から中央への移籍は、安藤勝己元騎手をはじめとして、これまでも複数人が移籍をしています。
中央から地方への移籍は、上記の記事中にある通り、松本弘元騎手が中央競馬の関東圏で騎乗した後、上山競馬に移籍した事例があるくらいのようです。
ただ、ルール上NGということはないようで、ホッカイドウ競馬が今回の件について次のようにコメントしています。
ホッカイドウ競馬を主催する北海道軽種馬振興公社も、「所定の手続きを踏んで受験されれば、拒絶する理由はありません」として、規約に則して免許を取得すれば復帰に問題はないという見解を示している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170315-00000526-sanspo-horse
所定の手続きで受験云々については、次の通りです。
中央競馬の騎手経験者であっても、地方競馬の新規騎手免許試験を受験する必要がある。昨年の募集要項では、道営の騎手は8月に募集が締め切られ、筆記や実技からなる1次試験は9月中旬に実施。身体基準や2次試験をクリアしたうえでの最終的な合格発表は11月中旬だった。受験できるのは、原則として各主催者ごとに年に一度のみ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170314-00000511-sanspo-horse
ご自身でもコメントしていますが、実技は問題ないと思うので、大変なのは筆記試験かと思います。
現役復帰した騎手の例
では、今度はこれまで騎手免許を返上後に復帰した例をいくつか調べてみました。
西田雄一郎騎手の復帰
ケイティラブでアイビスサマーダッシュを制するなど、通算重賞3勝を記録している西田騎手。
彼の場合は、不祥事を経ての復帰でした。
1999年 引退(道路交通法違反を理由に、その責任を取る形で騎手免許を返上)
〜山元トレーニングセンターに勤務〜
2005年 復帰
宮下瞳騎手の復帰
女性騎手として通算最多勝利数を記録している宮下瞳騎手も一度鞭を置いています。
2011年 引退
〜2012年 長男を出産〜
2016年 名古屋で騎手としてのキャリアを再スタート
女性騎手の復帰例は地方競馬史上初のことでした。
宮下康一騎手の復帰
こちらは、宮下瞳騎手の兄である康一騎手。
1991年 名古屋で騎手としてのキャリアをスタート
2003年 引退
〜厩舎スタッフとして従事〜
2014年 園田で騎手としてのキャリアを再スタート
11年の月日を経ての復帰は、地方競馬最長ブランクでした。
吉本隆記騎手の復帰
1995年 名古屋で騎手としてのキャリアをスタート
2007年 引退(通算239勝)
〜この間、サラリーマンとして過ごす〜
2012年 浦和で騎手としてのキャリアを再スタート
ちなみに、障害騎手試験にもチャレンジしているようです。
http://ameblo.jp/booklog-nankan-nakagawa/entry-11990579089.html
内藤繁春騎手の復帰
現役復帰を目指そうとして、残念ながら叶わなかった故・内藤繁春元調教師。
調教師としてダイユウサクなどを管理していた内藤氏が、調教師の定年を控えた69歳のときに、騎手復帰を目指して試験に受験。
結果は不合格に終わりましたが、当時はかなり話題になりました。
今回の藤田元騎手の件は、話題性もかなり高いと思うので、個人的には是非チャレンジしてほしいと思います。
ご本人は道営の騎手たちの騎乗機会を奪いたくないかもしれませんが、夏の函館、札幌開催で、道営馬に騎乗した「ホッカイドウ競馬所属 藤田伸二騎手」を見てみたいものです。
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