吉原寛人 南関東スポット参戦の経緯

大井競馬場で行われた、東京ダービーで、圧倒的1番人気のハッピースプリントが、羽田盃に続いて圧勝し、2冠を達成しました。

　単勝１・１倍と圧倒的な支持を集めたハッピースプリント（牡３、大井・森下淳）が羽田盃に続いて豪快に差し切り、見事２冠を達成した。勝ちタイムは２分５秒９。４馬身差２着にスマイルピース、３着はサーモピレー。
今年の世代で抜きん出た能力を見せ続けるハッピースプリントが吉原騎手に導かれて難なく２冠を成し遂げた。３番手といつもより前の位置取りで先行するエスティドゥーラ、２番手のサーモピレーをきっちりマークしながら運ぶと、直線早めに先頭に躍り出て、そのまま後続を引き離してゴール。全く危なげのない勝ちっぷりだった。これでデビュー以来負けたのは中央の芝２戦だけ。ダートは８戦８勝と負けなし。転入後の京浜盃、羽田盃に続く堂々の横綱相撲は、まさに怪物と呼ぶにふさわしい強さだった。
お立ち台で男泣きした吉原騎手は「夢にまで見たダービージョッキーになれました。幸せです。次のジャパンダートダービーを見据えて馬に少し負担を掛けて前へ行ったが、抜群の手応えで直線もきっちり伸びてくれた。応援してくれたファンの皆さん、関係者に本当に感謝しています」と何度も頭を下げながら、喜びをかみしめていた。
http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20140604-1312351.html

ハッピースプリントは3冠達成なるか？

ダートでは負けなしのハッピースプリント。
２冠達成は、2011年のクラーベセクレタ以来。牡馬では2005年のシーチャリオット以来の達成です。
この後は順調ならジャパンダートダービーに向かうと思いますが、JDDが創設されてからは、３冠馬はトーシンブリザード１頭しか誕生していません。(その他の２冠馬は、ナイキアディライト３着、シーチャリオット回避、クラーベセクレタ失格)
対する中央馬は、ユニコーンＳに出走予定のアジアエクスプレスが現時点では最有力馬かと思います。
ハッピースプリントがどんな競馬をするか今から楽しみです。

吉原寛人の南関東へのスポット参戦

ハッピースプリントの手綱をとった吉原寛人騎手は、南関以外の他地区の騎手として、初めて東京ダービーを制した騎手になりました。
吉原騎手は、過去に短期免許制度を利用して南関東で騎乗していました。
ですが、今回の騎乗は、2005年に改正された「他地区所属騎手は、南関東地区で行われる重賞競走に騎乗することができる。」というルールに則り、スポット参戦です。
大抵の場合は他地区の騎手なので有力馬の騎乗はあまりないですが、吉原騎手は馬主の辻牧場と森下調教師の両方と繋がりがあったため、この騎乗依頼に繋がったようです。
http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=26266
この後のジャパンダートダービーは、上記のスポット参戦のルールの対象外のレースですが、特別に騎乗できるようです。

　大井競馬場は羽田盃、東京ダービーの両競走に同一騎手が騎乗した２冠馬が交流Ｇ１ジャパンダートダービー（ＪＤＤ）へ出走する際に限り、地方他地区所属騎手が引き続きＪＤＤで騎乗できる規定を追加した。従来、ＪＤＤ出走の南関東所属馬に他地区騎手が騎乗できるのは南関期間限定騎乗中だけだった。これにより、ハッピースプリントが東京ダービーを勝ってＪＤＤに参戦する場合、吉原（金沢）の騎乗も可能となる。
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/06/02/kiji/K20140602008282730.html

中央での、デムーロルール（ネオユニヴァースの２冠達成後に作られた特例）みたいですね。
南関はこういうところの対応が、結構柔軟な気がします。

吉原寛人中央移籍の可能性

吉原寛人騎手はJRAの騎手免許取得を目指しているとのうわさも聞きます。
既に知名度は全国区で腕に疑問はないです。
後は、地方出身騎手が溢れてきた中央の状況で、合格することが出来るのか？
戸崎圭太騎手が最後なんて噂もあったので、厳しいかもしれません。

的場文男と東京ダービー

さて、大井の帝王、的場文男のダービー制覇は今年も叶いませんでした。
今回でなんと通算33回目の挑戦でした。
中央の蛯名正義騎手の日本ダービーへの挑戦の歴史がかわいく見えてきます。
蛯名正義のダービー挑戦の歴史（イスラボニータ）
的場文男騎手は今年で58歳になろうとしていますが、南関リーディングも上位でまだまだ健在です。
勝ってほしいけど、いつまでも挑戦し続けてほしいです。